最近、SF好きの夫につき合ってDVDを見ています。
カナダのものなので英語オンリーです。
映像中心に妄想を繰り広げつつあとでwikipediaで補完という観賞スタイルですが、せっかくなので感想をまとめたいと思います。
今回は2009年8月に公開(2010年4月日本公開)されたSF映画、第9地区(原題: District 9)です!
ネタバレありますので、いやな方はお戻りくださいね。
予告とあらすじ
予告はこちら。
エイリアンが普通に地球にいて、空には大きな宇宙船が浮かんでいます。時代設定は遠い未来なのだろうか。荒廃した土地でエイリアンと人間は争っています。
エイリアンの外見は昆虫とザ・エイリアンのイメージが混じったような、苦手な人は苦手な外見です。
エイリアンのほうが強そうなんだけど、どうも人間のほうが彼らを虐げている様子。
気がつくとエイリアン寄りになっている自分に気がつきます。このエイリアン寄りの視点は最後までそうでした。人間のほうがひどくない? っていう。
そんな中、あーなんかこの人仕事できなそうだなぁという感じの主人公ヴィカスが宇宙人たちの家を一軒一軒まわり何か通達しているわけですが、そこでトラブルに巻き込まれちゃうんです。
とまぁ上でも述べた通り私も細かいところがわかっていないので(汗)、Wikipedia大先生の力をお借りして、以下ちゃんとしたあらすじ。
1982年、南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突如宇宙船が出現した。
しかし上空で静止した巨大な宇宙船からは何の反応もなく、人類は宇宙船に乗船しての調査を行うことを決定。
船内に侵入した調査隊が発見したのは、支配層の死亡と宇宙船の故障により難民となった大量のエイリアンであった。
エイリアンたちは地上に移り、隔離地区である「第9地区」で難民として、超国家機関NMUによる管理・監視のもとで生活することになったが、文化や外見の違いから人間とエイリアン達との間では小競り合いが頻発し、第9地区はスラムと化していた。
宇宙船出現から28年後、エイリアンたちを新たに彼ら専用の居住区域である第10地区に移住させることを決定。
NMUはヴィカスという男を現場責任者に指名するが……
第9地区-Wikipedia あらすじを要約
はい、細かいとこぜんっぜんわかってない!
ええ、正直このブログを書くために調べて詳細の大部分は補完しましたよ?
あ、でもおおまかには合ってましたから! 感想もそんなに的外れではないと思います。
映像や役者さんの演技ってすごいですねぇ~。
追い詰められていく主人公 序盤との落差がしんどい
とにかくしんどかったー!!
物語序盤、主人公ヴィカスの印象は決していいものではありません。
・嫁のコネで大きな仕事を任されているだけなのに、それを自分の力だと思ってそうな雰囲気。
・エイリアンに対しても上から目線。
・英語わからないけどなんか嫌なかんじ。
上記の印象はほぼほぼ映像からの想像ですが、セリフが理解できていたらさらにクズだったようです。
なのに途中であやまって変な液体をかぶって身体がエイリアン化しだすあたりから一転しちゃうんですよ。
一気にエイリアン化するのではなく、液体のかかった腕から徐々に変化していくのがまたきつい。
さらにそれが人間サイドに知れたとたん、ヴィカスはエイリアンを管理する側から管理される側、追われる側になるんです。
ヴィカスの妻の父親は彼の所属する組織のお偉いさんで、ヴィカスは死んだと妻に伝えるんですよ。そしてはじまる人体実験……。
手術台の上で暴れる彼が痛ましい。もうね、人間扱いされなくなっているんです。ちょっと前まで同じ会社の人間だったのに。義理の父親なのに。
エイリアンより人間のほうがよっぽど怖くて残酷。
最初ちょっと彼にイラっとしてたのが嘘みたいにつらい。
最初のぼんくら感が嘘みたいに荒れてどんどん攻撃的になっていくのを見ているのがつらい。
あとあんなにフ〇ックファッ〇いう映画ある? ってくらい、中盤以降はほぼ1秒ごとに誰かが言っています。
主人公なんて、1セリフ1〇ァックですよ。(※個人の印象です)
そんな中クリストファー(知的なエイリアン)と出会って、人間に戻る希望を見出すけど、いったん自分たちの星に帰るから、「やっぱり3年待って!」とか言われるし。
ヴィカスもぶちぎれて暴れてたけど、いや3年は長すぎ!!ってなるよね。
絶対に完全にエイリアン化してしまうだろうし、このくだりは3年という長い月日を思って、見ている方も絶望しましたね。
胸が締めつけられるラスト
追われるなかでも、ちょこちょこ妻のことがでてきます。
人間すべてが敵になってしまった状況の中、唯一の救いは妻が彼を信じてくれたこと。よかったよ~。私は彼女がいつ裏切るのかとハラハラしていましたよ?
ヴィカスがなんども彼女に「会いたい」っていうのがつらいんです。昨日・一昨日まで一緒に暮らしてたのに。この先もそんな日々が続くはずだったのに。
あの頃にはもう戻れないんです。
彼女と連絡をとれたものの、横やりが入って会うことは叶いませんでした。
そしてラストシーン。
いつのころからか彼女が一人で暮らす家に、廃材で作られたお花が届けられるようになります。
そのお花を切なげに見つめる妻と、廃材でお花を作るひとりのエイリアン……で映画は終わる。
彼女はそれが夫からのものだとわかっていて。ヴィカスは完全にエイリアン化してしまっていて。
見終わって、ズーンと沈んでしまいました。やっぱり、やっぱり日常には戻れなかったんだ。帰りたいのに帰れないんだって。
結局3年で必ず地球に帰ってきて人間に戻すからと約束して、自分の星へと帰っていったクリストファーは、本当に戻ってくるのかな。
ってか3年って! 3年はやっぱり長すぎだよ。人間に戻れたとしてもきっと帰りたかった場所は形を変えてるだろうし。それでも人間に戻れればまだいいかもしれないけど。(いえ、そのころにはエイリアンでいることの方が心地よくなっているかもしれない)
一人お花を作るエイリアンと、一人お花を見つめる彼女のことを思って苦しかったです。
人様の感想で「ラストが清々しい」と綴っている方がいたけど、私は胸が締め付けられてたまらなかったよ……妻ポジで見ているんですかね。
戻りたいけどもう決して戻れない日常がしんどすぎだった。
終わりに
基本的にしんどい映画でしたが、クリストファーの子どものリトルCJの言動がかわいくて貴重ななごみ枠でした。
ところでこの作品、割と最近(2017年6月)に監督が続編の構想があると言っていたそう。
さらに、ブロムカンプ監督は「第9地区」の続編の構想があることを告白。「あの物語世界で映画をつくる計画がある。再びあの世界に戻り、WETAと一緒に映画をつくるのはクールだと思うよ」
ただこの言い方だとあの物語の続きというよりは、あの世界での別の物語という可能性もありそうですよね。
ハッピーエンド厨としては手放しによかったー! とは言えないけど、この先どうなるの? の連続で物語に引き込まれました。
コメントを残す